皆さん、こんにちは!
今回は、私たち日さくが日本技術コンサルタント株式会社と開発を進めている最新技術「井戸内水中テレビカメラ映像のAI自動判定」についてご紹介します。
■ 井戸診断の現状と課題
井戸の維持管理に欠かせないのが、井戸内を水中テレビカメラで撮影する調査です。
従来は、水中テレビカメラで井戸内を撮影し、熟練技術者が映像を目視で確認しながら、地下水取水部の「正常」「破損」「閉塞」といった状態を判定してきました。
しかし、この方法には大きな課題がありました。
・技術者の経験や判断力に依存しやすい
・判定者によって成果の品質に差が出やすい
・ 若手技術者の育成に時間がかかる
つまり、「人」に依存する部分が多く、診断の安定性に課題があったのです。このような事情があったため、技術者により差が生じないような「井戸内の劣化状況等の診断に用いるためのAI判定システム」を試作しました。
■ AIで変わる!井戸診断の新しいアプローチ
私たちはこの課題を解決するために、水中テレビカメラ映像をAIで自動解析する技術を開発しました。
AIは撮影された井戸内の映像を、深さごとにコマ切れにした画像にして、
• スクリーン部分 → 「正常」「閉塞」「破損」
• ケーシング部分 → 「正常」「付着」「破損」
このように分類を行い、井戸劣化の判定ができるようにしました。さらに、判定結果は静止画像として抽出できるため、報告書作成にもスムーズに活用可能となり、このたび特許「機械学習装置、機械学習方法および井戸の異常有無判定装置」(特許 第7678993号)を取得しました。




■ 実験で見えてきた結果
実証試験では、AIによる判定が熟練技術者の目視判定とおよそ70%の一致率を示し、安定した結果を得ることができました。
まだまだ熟練技術者の判定と比較すると、AIのデータベースは未熟ですが、これから学習を繰り返すことで、AIが「人間の目では気づきにくい劣化の兆候」も早期に検出できる可能性があります。
現在は、当社技術者の水中テレビカメラ映像判定補助にAIを一部利用している段階です。将来的には、より適切な維持管理方法の提案や、井戸の長寿命化に大きく貢献できると期待しています。

この技術が実用化されれば、現場では次のようなメリットが生まれます。
• 水中テレビカメラ映像判定作業の標準化
• 将来的には報告書作成までの自動化実現
• 技術者の負担軽減、作業効率アップによる働き方改革の推進
• 若手・外国人技術者の育成支援にも活用可能
さらに、井戸の維持管理を通じて、SDGsが掲げる「安全な水の確保」や「持続可能な社会づくり」にも貢献していきます。
■ まとめ
「水中テレビカメラ映像 × AI自動解析」は、井戸診断の精度と効率を大幅に高める新しいアプローチです。
今後も私たちは、現場に役立つ技術を研究・開発し、井戸の未来を守るために挑戦を続けていきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
本技術にご興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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