皆さん、こんにちは!
私たちの会社は、1912(明治45)年の創業当初から培ってきた「さく井(せい)工事部門」の井戸掘削技術と、「水」と「土」に関する知見を土台として、1960年代初頭に「特殊土木工事部門」と「地質調査部門」をスタートしました。これら三部門のそれぞれの専門技術により、「水と土の総合エンジニアリング企業」として、調査・設計から施工、維持管理までをワンストップで行えるのが、私たちの「強み」となっています。
さて今回は、そんな三部門の中から、特殊土木工事についてご紹介したいと思います!
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(1)特殊土木工事とは
(2)私たちの特殊土木工事の歴史
(3)私たちが取り組む特殊土木工事
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(1)特殊土木工事とは
私たちの会社は、さまざまな土木工事のうち、「特殊土木」と呼ばれる工事を行っています。
土木工事は大きく「一般土木」と「特殊土木」に分けられますが、それではこの二つの違いは何でしょう?
「一般土木工事」は、私たちがよく目にする道路や橋、トンネル、河川、森林や公園整備などの土木工事全般を指しており、主に公共インフラの整備や維持管理を目的としています。家やビルなどの「建築工事」とは区分され、ゼネコンや多くの土木建設会社が施工を行っています。
これに対し「特殊土木工事」は、より専門性の高い土木工事を指します。例えば、自然斜面で発生する地すべり・落石・崖崩れなどの斜面対策工事や、軟弱な地盤を強化する地盤改良工事、下水道を機械掘進する推進工事、土壌・地下水浄化のための環境対策工事などが該当します。これらの工事には、専門技術と専用の機材が必要となり、またそれぞれの施工環境へ対応した施工管理が求められます。そのため多くの場合、その工種に特化した専業者(専門の土木会社)が施工を行っています。
(2)私たちの特殊土木工事の歴史
私たちの特殊土木工事は、とりわけ、井戸掘削工事で培ったボーリング技術を応用した「地すべり対策工事」や「のり面保護工事」などの「斜面対策工事」を主軸としています。そのきっかけとなる出来事は、1960年代までさかのぼります。
1963(昭和38)年、新潟県松之山町(現在の十日町市)で雪解けとともに起こった「松之山地すべり」は、前代未聞の被害をもたらしました。私たちの会社を含む4社が緊急災害工事を受注し、誕生間もない土木工事部門が、これまで施工実績のなかった抑止鋼管杭(よくしこうかんぐい)工事で、井戸ボーリング技術を頼りに奮闘したといいます。
この経験を契機に、その後、半世紀以上にわたり、私たちの技術はさまざまな自然斜面で発生する地すべり等の斜面対策工事へ応用され、進化してきました。
▼松之山地すべり対策工事
(3)私たちが取り組む特殊土木工事
さまざまな特殊土木工事がある中で、今回は、私たちが取り組んでいる「地すべり対策工事」と「のり面保護工事」の2つをご紹介します。
① 地すべり対策工事:
自然斜面で地すべりが発生すると、地質調査部門が実施する地すべり観測・調査・解析結果に基づき、地すべりを防止するための対策工が設計され、管轄する国や地方自治体より、人家や道路・河川等の保全のため、公共工事として発注されます。地すべり対策工事は期待する効果などにより、「抑制工」と「抑止工」の2種類に分けられます。
「抑制工」は、地下水位などの自然条件を変えることにより、地すべり滑動の停止あるいは緩和を図る工法です。工法としては、地表の斜面に向かって水平ボーリングを行って水抜きを行う「横ボーリング工」や、地上から直径約3.5m、深さ数十メートルの井戸を掘り、その中から放射状に「集水ボーリング」を行って地下水を集水~排水する「集水井工」などがあります。また、地表水の地下浸透を防止し地すべりブロック外へ排水する「水路・暗渠(あんきょ)工」なども含まれますが、いずれの工法も滑動の要因となる地下水を地すべりブロック外へ排出するため、「地下水排除工」と呼ばれています。
「抑止工」は、設置した構造物の抑止力で、地すべり活動の停止あるいは一部停止を図る工法です。例えば、(2)で紹介した「抑止鋼管杭工」は、地表から不動地盤まで建て込んだ「鋼管杭」の強度で地すべりに抵抗する工法です。また「グラウンドアンカー工」は、不動地盤まで挿入した「PC鋼より線(ワイヤーを束ねたもの)」をグラウト材で充填後に、地上からジャッキで引っ張って緊張することで地すべりに抵抗する工法です。どちらも専用のボーリングマシンで削孔後に、それぞれの鋼材を挿入・固定する工法です。
一度発生すると大きな災害をもたらす地すべりですが、水と土に関する高度な専門技術や自然状況に対応できる経験、そして地すべり地特有の管理方法などが求められる「地すべり対策工事」は、私たちの特殊土木工事の代表基盤となっています。
▼地すべり対策/抑制工/集水井工 ▼地すべり対策/抑止工/鋼管杭工
②のり面保護工事:
斜面の崩壊や土砂崩れを防ぐために、斜面を補強・保護する工事です。
皆さんがよく目にする工種としては、道路や急傾斜地のり面に格子状のコンクリート張りを吹き付けて、浸食・崩壊を抑止する「現場吹付法枠工」が代表的ですが、「グラウンドアンカー工」や「鉄筋挿入工」を併用することで、より抑止力を高めています。また枠内を緑化することにより、周辺環境との調和も図っています。
▼のり面保護/現場吹付法枠工 ▼のり面保護/グラウンドアンカー工
私たちは、豊富な施工実績と蓄積された独自技術で、防災・減災、国土強靭化に貢献すべく取り組んでいます!
最後までお読みいただきありがとうございました。
日さくの特殊土木工事についてもっと知りたいことがあれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。