皆さん、こんにちは!
「再生可能エネルギー」というと、太陽光や風力を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実は足元の“地中”にも大きな可能性が秘められています。
今回は、温泉地として知られる青森県深浦町で行われた、温泉の熱を使って南国フルーツ「チェリモヤ」を栽培するユニークな取り組みをご紹介します。燃料コスト削減やCO₂削減といったメリットとともに、地域の資源を活かした持続可能な農業の姿が見えてきました。

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(1)温泉の熱でドーム型温室を暖房!
(2)再生可能エネルギーの導入ハードルを下げる工夫
(3)地域資源を活かす、持続可能な農業モデル
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(1)温泉の熱でドーム型温室を暖房!
青森県深浦町の海岸で自噴する源泉。その未利用の温泉熱を、ドーム型の温室で栽培される南国フルーツ「チェリモヤ」の暖房に利用する実証実験が、弘前大学と日さくによる共同研究として行われました。
この実験では、温泉水を貯湯槽に送って熱交換し、その熱を温室へ循環させるシステムを導入しました。
チェリモヤが生育するためには、温室内温度を年間通して5℃以上に保つ必要があります。今回の実験では、ヒートポンプを使わずに、冬季の室内温度を5℃以上に保つことに成功しました。外気温が−9.4℃まで下がった日でも、チェリモヤはぬくぬくと育っていたのです。

(2)再生可能エネルギーの導入ハードルを下げる工夫
再生可能エネルギーの普及が進まない一因は、「初期コストの高さ」です。
通常はヒートポンプが必要になる地中熱利用ですが、今回は温泉の“廃熱”を活用し、ポリエチレン製の熱交換器を使うことで、設備コストを抑える工夫がされました。
温泉熱のように“すでにある熱”を上手に使えば、導入のハードルはぐっと低くなります。

(3)地域資源を活かす、持続可能な農業モデル
今回の実験では、国内でも希少な高付加価値作物であるチェリモヤを対象に選びました。
販売価格は1.8㎏あたり6,000円程度とされており、温泉熱を利用したハウス栽培によって、寒冷地でも高収益作物の栽培ができるという可能性を見い出すことができました。
また、化石燃料の燃焼による暖房と比べ、燃料コストは50,000円/年ほど、CO₂排出量は1.5トン/年ほど削減できる見込みです。地域の未利用エネルギー資源が、新たなビジネスチャンスを生み出しています。


採熱温度差は約 2℃、放熱温度差は約 1℃となった。
このように、地中熱や温泉熱といった地域の熱資源は、地球にも家計にもやさしいエネルギーとして注目されています。
今回の実証実験を通して、再生可能エネルギーの導入をもっと身近なものにしていくヒントが見えてきました。
日さくでは、弘前大学との共同研究などを通じて、地域と連携しながら、持続可能な未来づくりを支える技術開発に取り組んでまいります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
地中熱や温泉熱の利用についてもっと知りたいことがあれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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