皆さん、こんにちは!
3回にわたってお届けしてきた「温泉井戸の秘密」シリーズも、今回が最後になります。第1回「誕生編」、第2回「探す編」に引き続き、最後は「掘る編」です!
温泉調査が終わったら、すぐに掘削を開始できるわけではありません。実は、温泉の掘削には、「都道府県知事による許可」が必要になります。詳しく見てきましょう!
▼今回の記事はこちら
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(1)温泉開発の主な流れ
(2)温泉の掘り方
(3)施工実績
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(1)温泉開発の主な流れ
下図は、温泉開発の主な流れを示しています。
多くの工程がありますね!
温泉井戸の企画・調査から温泉利用開始までに必要な期間は、以下のような要因によって異なりますが、一般的には2年から3年程度を見込みます。
① 企画・調査段階
・期間:3~6カ月
・温泉掘削を企画し、地質調査や温泉資源の可能性を評価します。
・環境への影響や法的な要件を確認することも重要です。
②温泉掘削の許可申請
・期間:3~12カ月(地域により異なる)
・温泉法に基づき、自治体(都道府県)の温泉掘削許可が必要です。申請には地質調査結果や施工計画書のほか、可燃性天然ガスへの安全対策や環境対策計画、関係法令の確認記録などが求められます。
・地元住民の方々への説明会が必要な場合もあり、それも期間に影響します。
③掘削作業
・期間:3~6カ月
・実際の掘削作業は、井戸の深さや地盤の状況により異なります。標準的な掘削作業には数カ月程度かかることが一般的です。
・温泉水の湧出確認後、温度の測定や泉質の分析を行います。
④施設整備と温泉利用開始準備
・期間:6カ月~1年
・掘削後、温泉ポンプの設置や温泉の引き込み設備の整備を行います。施設の規模や設計内容により期間が変動します。
・同時に、温泉利用のための各種許可申請(温泉法・公衆浴場法等)を行います。
(2)温泉の掘り方
温泉井戸は一般的な水井戸に比べ、掘削の深度が数百メートルから1,500メートル以上と深く、地熱や高圧環境、硬い地層に対応する必要があります。温泉井戸の掘削における主な特徴を、以下にご紹介します!
掘削機械:
掘削機械のことをボーリングマシンといい、目的や現場に合わせたさまざまな種類があります。
温泉開発工事では、高い掘削能力を備えた大規模なボーリングマシンが必要となります。
工事スペース:
温泉掘削現場では、一般的に約300~500平方メートルの広いスペースが必要となります。
大規模なボーリングマシンや関連機器の設置スペース、パイプなどの資材置場、掘削機材や資材を運ぶトラックが入るための進入路や駐車スペースも必要です。
防音対策:
大規模で高出力なボーリングマシンが使用されるため、騒音レベルが高くなりやすいです。これを抑えるため、特に吸音性能が高い防音設備が求められます。
ケーシング(井戸の内壁を保護するために設置する鋼管):
温泉井戸は深度が深いため、掘削口径が異なる複数のケーシングを段階的に挿入します。掘削地点の地質、深度、その他の条件によって、最適な計画(ケーシングプログラム)を立てる必要があります。
掘削ビット(直接地面を削る刃先):
三つのローラーが回転して地層を砕く刃先のことをトリコンビットといい、硬い地層を掘り進む温泉井戸で一般的に使用されます。耐久性と効率性が求められるため、特に深部掘削では地層に適合した高性能なものを選定します。
このように、温泉井戸の掘削には高度な技術と機材が必要となります。
(3)施工実績
私たちは今までに、全国で400本以上の温泉掘削を行ってきました。
最後に、施工実績の一部をご紹介します!
♨神奈川県内温泉
工 期:2021年4月~2021年10月
井戸口径:100~250mm
井戸深度:1,750m
新しく建設した日帰り温泉施設に利用されています。
♨東京都内温泉
工 期:2018年2月~2018年5月
井戸口径:100~250mm
井戸深度:1,427m
新しく建設したホテルの大浴場に利用されています。
♨群馬県内温泉
工 期:2019年6月~2020年3月
井戸口径:80~250mm
井戸深度:1,200m
スキー場内の宿泊施設とロッジ、日帰り温浴施設に利用されています。
「温泉井戸の秘密」シリーズは以上です!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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